夜になるとネット通信が遅くなる原因はズバリネット回線が混雑しているからです。
同じ通信回線を同じ時間に使う人が多くなり、回線内で大渋滞が発生してしまっているからです。
混雑を避けるためにはどうしたら良いのでしょうか。
そこで今回は「夜にネット遅延する回線混雑の原因と、その対処法3つ」について、図解を交えながら詳しく説明していきます!
目次
夜にネット通信が遅くなる一番の原因は回線混雑
そもそもインターネット通信が遅い原因として考えられるのは、
- LANケーブルのカテゴリが低いこと
- ルーターの最大通信速度が1Gbps以下と低いこと
などが挙げられます。
特にLANケーブルの選択については重要な割に盲点になりがち。
たとえばCAT5以下のLANケーブルを、ONUやルーター接続に使ってしまうと一気に100Mbps以下に速度制限がされてしまいます。
光回線の速度が1Gbpsであっても、カテゴリ5のLANケーブルを使用してしまうと、通信速度の最大値は100Mbps以下に低下してしまう原因となります。
しかしそうした条件もクリアしていて、昼は快適に通信できるのに夜の22時頃になると、
- インターネットの読み込みが遅れ始める
- 通信速度が明らかに遅れている
- 動画の再生が途切れ始める
といったことが起こるのは、確実に回線混雑が原因と言えます。
実はこれ、光回線サービス選びの落とし穴にはまっているのです。
回線混雑の原因はプロバイダ契約による落とし穴
回線が混雑する要因は、「有名プロバイダと契約すれば大丈夫」といった落とし穴にはまってしまっていること。
というのも光回線のプロバイダを選択するならつい、
- 安心して光回線サービスが受けられそう
- 昔からあって有名だから
といった理由で、多くの人が大手プロバイダを選択してしまいがちです。
その結果、利用者数の多さが仇となり通信集中によるネット遅延が生じているのが事実です。
しかし実際は大手プロバイダだから「安心」というわけではなく、どんな通信技術を使ってインターネット通信を行っているのかが重要となってきます。
回線混雑によるネット通信の遅延については、高速道路の料金所をイメージしてもらうと分かりやすいです。
ネット通信が遅くなる回線混雑のイメージ
高速道路が通信回路と例えると、
- 車が一人ひとりのインターネット通信
- 料金所が各プロバイダの認証場所
- 出口がインターネット接続される場所
といったイメージとして図解してみました。
回線混雑がないときのネット通信イメージ
まずは昼間のインターネット通信のイメージです。
混雑がなく、スムーズに車が料金所を通過しています。
インターネット利用者の認証が、プロバイダによってスムーズに行われている状態です。
回線混雑してる時のネット通信イメージ
しかし車が多くなれば料金所が混雑し、なかなか出口に出られなくなってしまいます。
一気に大勢が押し寄せたことで、プロバイダによる認証作業が詰まってしまっています。
普段はスムーズに通れる場所でも、出口に車が集中してしまえば思うように動けなくなってしまいますよね。
これが回線混雑によってネット遅延が発生するイメージです。
選んだプロバイダによってネット通信が遅くなる場合も
また特定のプロバイダ利用者が多くなったとき、一部では渋滞が発生します。
ほかの料金所(プロバイダ)ではスムーズに認証作業が済んでいますが、利用者が一気に集中した料金所では混雑してなかなか出口に出られなくなっていますね。
同じプロバイダを使っている人が多くなればなるほど、一部のプロバイダの通信が遅れてしまう…といったものは、こうしたイメージを想定してもらうと良いでしょう。
大手プロバイダだかといって、確実に高速なネット通信ができるわけではありません。
しかし、利用者側ではプロバイダの認証作業までさすがに操作できませんよね。
一体どうすれば夜でも快適なインターネット通信ができるようになるのでしょうか。
ネット通信が夜でも遅くならない!4つの対処方法
夜でも昼間のようなネット通信を行なう対処法は主に3つあります。
- 【フレッツ光】高速通信可能なプロバイダに切り替える
- IPv6 IPoE方式に対応している光回線へ切り替える
- v6プラス対応の光回線へ切り替える
- NURO光やauひかりへ切り替える
それぞれ詳しく解説します。
1. 【フレッツ光】高速通信可能なプロバイダに切り替える

【出典】オープンサーキット – 高品質光インターネットプロバイダ
フレッツ光を以前から使用していて、通信速度が思ったよりも高速でなく、困っている人もいる場合もあるでしょう。
ネット通信を快適に利用するためには、通信速度と安定性が重要です。
フレッツ光であっても、IPv6に対応したプロバイダを選ぶことが重要になっています。
「v6プラス」に対応しているプロバイダ「オープンサーキット」に変更することで通信速度が安定することが考えらえます。
特に、フレッツ光で現在利用中のプロバイダが、従来のIPv4のみの対応の場合、接続方式がv6プラスに変更されることで混雑が起きにくく安定した高速通信が利用できるようになります。
「v6Neo」というコースがv6プラスに対応、そして「v6Direct」というコースは固定IPアドレスも利用できます。
コース名 | 初期費用 | 月額料金 |
---|---|---|
v6Neo (1Gbps回線) |
2,200円 | 1,980円 |
v6Neo-X (10Gbps回線) |
3,300円 | 3,300円 |
v6Direct (1Gbps回線、固定IP) |
5,500円 | 5,170円 |
v6Direct-X (10Gbps回線、固定IP) |
6,600円 | 6,600円 |
※料金は全て税込表示となります
2. IPv6 IPoE方式に対応している光回線へ切り替える
夜に快適なネット通信を行なう方法として「IPv6 IPoE方式」に対応している光回線へ切り替えることが挙げられます。
なぜかというとIPv6 IPoE方式はインターネットを利用する際、ISP(プロバイダ)によるユーザー認証作業が不要な接続方式だから。
そのため、先の高速道路の料金所がなくなった状態でインターネット通信が可能になります。
一気にインターネット利用者が増えても料金所で停滞しなくなるので、夜間でも高速なインターネット通信ができるようになります。
IPv6 IPoE方式と旧来のIPv4 PPPoE方式について、詳細を記しておきます。
枯渇するIPv4と無限にあるIPv6
従来使われているインターネット通信方式は、IPv4というIPアドレスを使っています。
しかし総数が約43億個しかないため、2011年2月には在庫が枯渇してしまいました。
インターネットドメイン管理団体のIANAやICANNなどが2月3日、IPv4アドレスの中央在庫の割り振りがすべて終了したと発表した。中央在庫は完全に枯渇したことになる。
【引用元】ITmedia NEWS -IPv4アドレスの中央在庫が完全に枯渇
一方IPv6はInternet Protocol Version 6(インターネット・プロトコル・バージョン6)の略で、IPv4の枯渇問題を解決するために開発された新しいIPアドレスの規格です。
128桁で構成され、その数は340澗個(かんこ)とほぼ無限に存在します。
「澗」は10の36乗というとてつもない数です。
そしてIPv6を使った接続サービスには、
- IPv6 PPPoE方式(トンネル式)
- IPv6 IPoE方式(ネイティブ式)
と呼ばれる2種類の接続方式があります。
IPV6 PPPOE方式(トンネル方式)とは

【出典】NTT communications -PPPoE方式とは
PPPoE方式は「PPP over Ethernet」の略で、Ethernet上にPoint to Pointセッションを作り、ISP(プロバイダ)によるユーザー認証を行なってインターネットを行なう技術です。
ISPによる認証というワンクッションが入るため、インターネット接続が速くなるわけではありません。
旧来使われているIPv4接続方式は、ISPによるユーザー認証が発生するため「IPv4 PPPoE方式」です。
IPV6 IPoE方式(ネイティブ方式)とは

【出典】NTT communications – IPoE方式とは
IPoE方式は「IP over Ethernet」の略で、ISPの認証を行わずにインターネット通信ができる技術です。
プロバイダによる認証が不要なので、認証によるワンクッションがありません。
そのためIPv6 IPoE(ネイティブ)方式であれば通信速度が上がるというわけです。
現在IPv4 PPPoE方式でインターネット通信を行っていて、夜間に遅くなっているのであればIPv6 IPoE方式を提供している光回線に変えることで問題が解決されるはずです。
ただし注意点として、IPv6 IPoE方式は旧来のIPv4接続に対応したWebサイトが閲覧できません。
そこでおすすめしたいのが、v6プラス通信の提供を行っている光回線への乗り換えです。
2. v6プラス対応の光回線へ切り替える
v6プラスとは、インターネット通信の「トンネリング」という技術の1つ。
具体的には「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6」と呼ばれており、IPv6 IPoE方式の状態でIPv4への通信も可能にした技術です。
「IPv4通信データ」を「IPv6 IPoE通信」としてカプセル化することで、IPv4でもIPoE方式で通信できるようになります。
このv6プラスでインターネット通信を行なうことで、
どちらでも関係なく通信できて、さらにISP認証が省かれることで夜間でも高速なネット通信が可能となるわけです。
参考までにv6プラスに対応した光回線サービスの一覧です。
光コラボプラン | プロバイダ | サービス名 | 月額追加料金 |
---|---|---|---|
ビッグローブ光 | BIGLOBE | IPv6オプション | 無料 |
DMM光 | DMM光 | v6プラス | 無料 |
ドコモ光 | DTI | IPv6(IPoE)接続サービス | 無料 |
ドコモ光 | >>GMOとくとくBB | v6プラス | 無料 |
ドコモ光 | @nifty | v6プラス | 無料 |
ドコモ光 | OCN | v6プラス | 無料 |
ドコモ光 | plala | IPoE接続機能 | 無料 |
@nifty光 | @nifty | v6プラス | 無料 |
ぷらら光 | plala | IPoE接続機能 | 無料 |
So-net光 | So-net |
v6プラス | 無料 |
SoftBank光 | SoftBank | IPv6 IPoE+IPv4 | 無料 |
【注意】v6プラスは対応ルーターの準備が必要
注意点として、v6プラス通信はWi-Fiルーターが対応していないと利用できない点です。
以下にv6プラス対応ルーターを一覧にしてまとめました。
メーカー | ルーター名 | 希望 小売価格 |
発売日 | 無線 最大速度 |
最大 接続台数 |
---|---|---|---|---|---|
NEC | Aterm WG2600HP3 | 約11,500円 | 2018年7月 | 1733Mbps | 18台 |
NEC | Aterm WG1900HP2 | 約8,000円 | 2018年7月 | 1300Mbps | 18台 |
NEC | Aterm WG1200HP3 | 約7,000円 | 2018年6月 | 867Mbps | 15台 |
NEC | Aterm WG1800HP4 | 約8,000円 | 2018年10月 | 1300Mbps | 18台 |
NEC | Aterm WG1200HS3 | 約6,000円 | 2018年10月 | 867Mbps | 18台 |
IO-DATA | WN-AX2033GR2 | 13,100円 | 2018年3月 | 1733Mbps | 16台 |
IO-DATA | WN-AX1167GR2 | 8,300円 | 2017年11月 | 867Mbps | 16台 |
ELECOM | WRC-2533GST2 | 17,970円 | 2018年10月 | 1733Mbps | 24台 |
ELECOM | WRC-1750GSV | 11,540円 | 2018年6月 | 1300Mbps | 18台 |
ELECOM | WRC-1167GST2 | 8,970円 | 2018年8月 | 867Mbps | 16台 |
BUFFALO | WXR-1900DHP | 26,600円 | 2014年10月 | 1300Mbps | 18台 |
BUFFALO | WTR-M2133HP | 27,700円 | 2018年1月 | 866Mbps | 27台 |
BUFFALO | WXR-2533DHP2 | 27,700円 | 2016年6月 | 1733Mbps | 3台 |
BUFFALO | WXR-1901DHP3 | 18,700円 | 2017年7月 | 1300Mbps | 18台 |
BUFFALO | WXR-1900DHP2 | 19,900円 | 2015年12月 | 1300Mbps | 18台 |
BUFFALO | WXR-2533DHP | 28,800円 | 2015年6月 | 1733Mbps | – |
BUFFALO | WXR-1751DHP2 | 14,300円 | 2017年4月 | 1300Mbps | 18台 |
BUFFALO | WXR-1900DHP3 | 18,700円 | 2017年3月 | 1300Mbps | 18台 |
BUFFALO | WXR-1750DHP2 | 14,300円 | 2017年4月 | 1300Mbps | 18台 |
BUFFALO | WXR-1750DHP | 16,500円 | 2015年8月 | 1300Mbps | 18台 |
ドコモ光では光コラボのプロバイダがv6プラスに対応していれば、v6プラス対応ルーターのレンタルサービスを行っている場合があります。
契約期間の間は>>無料でルーターレンタルできるプロバイダもあるので、検討してみると良いでしょう。
3. NURO光やauひかりへ切り替える
光回線を切り替えるなら、最速通信ができる光回線を選びたいといった人には、
への切り替えがおすすめです。
というのも「NURO光・auひかり」ともに、最高で10Gbpsの通信プランを提供しているからです。
例えばドコモ光では最大通信速度1Gbpsですが、そのおよそ10倍の速さのサービスを提供しているんですね。
NURO光やauひかりはデュアルスタック方式を採用
また、もう1つおすすめする理由として、NURO光もauひかりも「デュアルスタック方式」を採用していること。
「デュアルスタック方式」とは、「トンネリング」技術と同様のIPv4・IPv6共存技術の1つです。
単一機器にIPv4とIPv6を共存させる仕組みで同時に動作(通信)することが可能なんですね。
そのため夜間の回線混雑回避も期待がもてます。
もちろん「デュアルスタック方式」は標準提供のサービスなので、
- 月額利用料金の追加費用
- IPv6通信への申し込み
といった支払いや手続きは不要です。
もし手軽に
といった場合は、NURO光やauひかりへの切り替えを検討すると良いでしょう。
まとめ
といった内容についてご紹介しました。
今のネット環境がIPv4で通信しているのであれば、IPv6 IPoE方式やv6プラスで通信を行なうことで夜間のネット遅延が一気に解消できることでしょう。