1Gbps以上の高速な光回線サービスが主流になっていますが、ネット環境に応じてLANケーブルを適切に選ばないと、回線速度を低下させてしまうことがあります。
今回の記事では、LANケーブルの種類(カテゴリ)に関して書いてみます!
目次
動画でLANケーブルを解説しました
LANケーブルの「カテゴリ」に注意
LANケーブルには「カテゴリ」と呼ばれる種類があり、適合する規格や対応する速度がカテゴリによってそれぞれ異なります。


LANケーブルのカテゴリを表にまとめてみました。
カテゴリ5は100Mbpsまでしか対応できず、カテゴリ7とカテゴリ8は要注意なLANケーブルです。
LANケーブル 種類 | CAT5 カテゴリ5 | CAT5e カテゴリ5e | CAT6 カテゴリ6 | CAT6A カテゴリ6A | CAT7 カテゴリ7 | CAT7A カテゴリ7A | CAT8 カテゴリ8 |
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最大通信速度 | 100Mbps | 1Gbps | 1Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 40Gbps |
適合する イーサネット | 10BASAE-T 100BASE-TX | 10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T | 10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX | 10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T | 10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T | 10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T | 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-TX 10GBASE-T 40GBASE-T |
伝送帯域 | 100MHz | 100MHz | 250MHz | 500MHz | 600MHz | 1000MHz | 2000MHz |
ギガタイプの 光回線利用 | 不適 | 適合 | 適合 | オススメ | 多くの市販品が不適 | 多くの市販品が不適 | 多くの市販品が不適 |
1Gbps以上の速度となる光回線サービスを利用するのであれば、カテゴリ5e/6/6AのLANケーブルを使用するようにしましょう。
いずれも、シールド加工が施されたSTPケーブルではなく、ごくごく普通のUTPケーブルで十分です。
STPケーブルは適切にアースしないと、内部に電気が溜まってノイズが発生する可能性があり通信速度に悪影響を及ぼします。
光回線の速度が1Gbpsであっても、カテゴリ5のLANケーブルを使用してしまうと、通信速度の最大値は100Mbps以下に低下してしまう原因となります。
1MBメガバイト = 8Mbメガビットとなります。
例えば200Mbpsは、1秒間に25MBのデータがダウンロードできるということになります。
1Gbps以上の光回線サービスを利用する上でベストバイは、カテゴリ6AのUTPケーブルとなります。
最大通信速度も10Gbpsまで対応しているので、5Gbpsや10Gbpsなどの超高速な光回線に乗り換えても利用できます。
ノイズに強いシールド処理が施されてない「UTPケーブル」と、シールド処理が施されている「STPケーブル」があります。
実際にはSTPケーブルは取り扱いが難しく、家庭用では適切なアース処理ができない場合がほとんどなので、UTPケーブルを選べば問題ありません。
なお、伝送帯域が大きいほど大量のデータを同時に流すことができます。
2021年現在おすすめできるカテゴリ
一般的な家庭やオフィスで使用するには、カテゴリ6AのUTPケーブルがおすすめです。
現在市販されているカテゴリ7やカテゴリ8のケーブルは、「RJ-45型」プラグというものを採用しています。
従来の家庭向けネットワーク機器へ接続できるようにしたものですが、規格不適合品と指摘されています。
特にSTPケーブルとなっている場合、アースできないことでシールド内部に電気が溜まり、ノイズの原因となりspan class=”c-bold c-red”>通信に悪影響を及ぼす可能性があります。
現状ではCAT6AのUTPケーブルを使用すれば良いでしょう。
以前、当記事ではカテゴリ7もオススメと紹介してしまっていたのですが、「不適」に訂正しています。
僕も最初は分からなかったです。何人かの方に指摘されて覚えました。
日々勉強ですね…!
なおカテゴリ7、8のケーブルを既に購入済みの場合でも、特別速度低下が見られないようであれば使い続けても問題ありません。
購入したお金がもったいないですからね。
これからLANケーブルを購入する場合には、ぜひカテゴリ6Aと覚えておいてください。
カテゴリ6Aは10ギガビットの「10GBASE-T」にも対応しているので、最近登場した、5Gbps〜10Gbpsの超高速光回線にも対応可能です。
LANケーブルとは?
LANというのは、ローカル・エリア・ネットワークの略語となります。
家庭内や会社内で構築されたネットワーク環境で、データファイルの共有や、プリンターの利用などが可能になります。
「ネットワークを構築する」と書くと難しく感じますが、ルーターと有線LANケーブル接続をしたり、Wi-Fi接続をしたりすることで、LANに繋がります。
そして、ルーターといった機器にPCなどを接続するケーブルがLANケーブルなのです。
LANケーブルの端子は電話線と少し似ていますが、LANケーブルと電話線は全くの別物なので代用品として使うことはできません。
LANケーブルの形状
LANケーブルは通常の形状の他に、細径やフラット型といった形状が存在します。
配線する場所や用途によって、形状を使い分けると便利です。
しかし、LANケーブルの形状が変わると、配線や取り回しが変わる他に、通信の安定性にも影響が出てくる点には注意が必要です。
ノーマルタイプ
丸い一般的な形状をしているケーブルがノーマルタイプです。
通信の安定性が高いため、配線上の問題がない場合にはノーマルタイプが適しています。
フラットタイプ
ケーブルが薄くフラットな形状をしたLANケーブルです。
細い隙間を通す配線の必要があるときなどに適していますが、ノイズに弱いので長い距離にはあまり適していません。
また僕がLANケーブルを色々と変えて実験している限り、フラットタイプは太径のケーブルに対して速度が2割ほど低下したことがありました。
メーカーや素材などによって、必ずしも通信速度が低下するとは言えませんが、速度を求める場合にはおすすめできない形状かもしれません。
通信速度を取るか、利便性を取るかといったところでしょうか。
細径タイプ
ケーブルの直径がノーマルタイプの半分程度の細さになっているのが細径タイプです。
ケーブルが細いため配線時や持ち運びには便利ですが、通信の安定性は下がるという特徴があるようですが筆者の使用テストでは特別問題はなかったです。
メーカー別 おすすめLANケーブル3選
おすすめできるLANケーブルを紹介します。
BUFFALO ツメの折れないLANケーブル カテゴリ6A ノーマル型
コストパフォーマンスが高いカテゴリ6AタイプのLANケーブルが、国内メーカーBUFFALO製のLANケーブルです。
シールド加工のない、通常のUTPケーブルとなっています。
0.5mと1mの価格が300円(税込)以内という低料金で、10mの長さまで販売されています。
抜き差しがしやすいコネクタに180度曲げても壊れない新素材のツメを採用しています。
筆者も実際にAmazonで購入してみました↓
新素材を採用したコネクタは一見安っぽく見えるのですが、ツメは折れにくく、LANポートから抜き差ししやすいと感じました。
通信速度も良好です。(筆者宅はauひかりで、プロバイダはSo-netです。)
LANコンセントの対応カテゴリに注意
僕が以前住んでいた賃貸アパート(積水ハウスのシャーメゾン)です。
この写真のようなLANコンセントが各部屋に用意されています。
備え付けのLANコンセントのLANポートを利用して、有線LAN接続をする人も多いかと思いますが、ここでも対応しているカテゴリがどのようになっているか注意するようにしましょう。
「カテゴリ6(CAT6)」となっていました。
LANポートにカテゴリが書いてない場合、LANケーブルは壁内にひかれているため、対応カテゴリを確認するためには家の仕様書などを見る必要があります。
僕が住んでいたアパートでは、壁内のLANケーブルは残念ながらカテゴリ6Aではありませんでした。
5Gpbsや10Gbpsプランの光回線を利用する際には、壁のLANポートを使用せず、ルーターから直接LANケーブルを取り回すことになるでしょう。
カテゴリ5とカテゴリ5eの速度比較
2018年に新しく現在の自宅に導入した「auひかり」の回線速度を調査したところ、無線LANで上下100Mbps未満でがっかりしました。
しかし、これはONUとホームゲートウェイを業者さんがカテゴリ5のLANケーブルを使って配線しことが原因でしたw
カテゴリ6Aに変更したところ、上下700Mbps台となり嬉しかったです。
カテゴリ5以下のケーブルが配線の一部に少しでも使われると、1Gbpsタイプの光回線であっても、100Mbps(0.1Gbps)以下へと速度低下しますので気をつけてください。
ONUやルーターにもLANケーブルが必要
光回線に申し込むと、回線事業者からONUやルーターがレンタルできます。
部屋の壁やエアコンダクトから出てきた光ファイバーとONUとを光コンセントで接続します。
ONUは光通信回線で使用される信号形式とLAN内で用いられる信号形式を変換する役割を持っています。
僕はこれまで光回線でSo-netが運営する「NURO光」と、KDDIが運営する「auひかり」を利用しているので、事例としてそれぞれのONUやルーターを紹介してみます。
NURO光
NURO光ではONU兼ルーターがSo-netから届きます。
NURO光のONUはルーター機能も備わっています。
背面には有線LANポートが備わっている上、無線LAN機能(WiFi)も標準搭載されていて、無料で使用できます。
実は、光回線サービスによっては無線LANを利用するために、月額550円(税込)程度かかることもあるため、無料なのはポイントが高かったりします。
ONUとルーターが分かれていると機器を設置するスペースもとるし、コンセントも増えるのでスッキリしますね。
NURO光のONUや、接続する端末の構成をイラストにするとこのようになります。
もちろん、有線LANを使わずに全てWi-Fi接続しても問題ありません。
背面はこんな感じで、LANケーブルのポートがついています。
auひかり
auひかりではこのような機器を2つレンタルできます。
写真左の黒い機器がONU、そして写真右の白い機器であるホームゲートウェイ(Wi-Fi機能付き)の2種類が必要となります。
どちらもKDDIからレンタルして借りるものとなります。
以前は、ホームゲートウェイの無線LAN機能を使用する場合は有償だったのですが、現在提供されている新しいホームゲートウェイでは無料となっています。
auひかりの利用期間が長く、古いホームゲートウェイを使い続けている場合は、余計な出費となっている可能性があるので注意してくださいね。
auひかりのONU、ホームゲートウェイ、そして接続する端末の構成をイラストにするとこのようになります。
ONUとホームゲートウェイの2種類の機器が必要で、この2機種を接続するのに必ず有線LANが必要になります。
インターネットを利用する端末は、有線LANと無線LANのどちらを使用しても問題ありません。
記事のまとめ
今回の記事のまとめです。
LANケーブルを選ぶときには、ケーブルの形状やカテゴリなど選び方に注意するポイントがあります。
LANケーブルの選び方のポイントを抑えることで、インターネットの速度を妨げることがなく、すっきりと邪魔にならない配線ができるでしょう。
正しい選び方で快適に使用できるLANケーブルを探してみましょう!